ものの芽の目鼻を持ちて賑やかに   未曉
 いっせいに芽吹き始めている。よく見ると芽が温かさや日の光を取り入れ、ふくらみほころんでエネルギーを外に伸ばしていることがわかる。花痕、葉痕も含め口に見えたり、鼻に見えたり、耳、目を思わせる色や形をがあり、まるでそこから春を呼吸しているように思える。そしてその表情が「何かを待ち望んでいる」のである。

そして、さらによく見てみるとそこに自分の顔がある。目、耳、鼻、耳を駆使して待ち望んでいるものを見つけようとしている自分の顔が映っている…。