僅かな雪の雪かきと年賀状の宛名書きで一日を費やした。郵便番号や住所はパソコン、とプリンターにまかせ、宛名だけを自筆で書くことにしている。
 もらい物のお菓子の木箱に和紙を貼り、内側を二段にした手作り硯箱、小さな硯、最初の中国旅行の時に買ってきた墨。墨を磨りながら私信に何を書こうかと自分の一年を振り返る。たいした一年ではないが、この気持ちで年賀状に向かうことを大切にしたい。現職の頃は、子どもの通知票が最優先されるこの時期、せっぱ詰まって年賀状はいつも半ば義務感で出していたような気がする。
   来し方に人あらばこそ賀状書く    未曉
   年賀状句一行の降るごとく      未曉