山歩きをして少し高いところから俯瞰すると、裸木が毛のように山々のうねりを覆い、まるで猪の腹が横たわるように見える。北海道だから猪はいないだろうが、りす、兎、狐、熊、蛙、蝶々、何かの幼虫…みんな横たわっているのではないだろうか。ひもじさから逃れる術は、眠るしかない。
   ひもじさの腹累々と山眠る   未曉 
 天候が定まらず山歩きが出来ない。時々晴れるがくらい雲に覆われ雪がちらつく今の時季は、足元は悪いし、濡れてしまうことも多いからである。
   幽天に経万巻の雪の降る    未曉