札幌・まるかず

 当面はドニチカ切符を利用させてもらって地下鉄駅から近い蕎麦屋さんを訪ねてみようと思う。
 今回の一軒目、北区の「まるかず」は店が無くなっていた。紹介本に手打ち蕎麦を450円で食べさせてくれる店として載っていたので応援のつもりで訪ねたが残念だった。
 食べる一方の私が言うのも何だけれど「蕎麦は安い値段であるべきだ」と勝手に思っている。高い値段設定をするとありがたがって「美味しい」と評判が立ってしまう狙いの店には二度と行かないことにしている。また、凝った付加価値をつけて、蕎麦を食べているのか蕎麦をダシにした料理を食べているのかわからない店もある。蕎麦屋という看板だけのファミリーレストランでしかない。だから、私はもり蕎麦か掛け蕎麦を必ずあじわう。それが美味しい店は種物も蕎麦を生かした仕上げになっている。
 しかし、営業が出来なくなっては元も子もない。もとより営業できなくなった理由は値段だけではないだろうが、安い手打ち蕎麦屋さんが消えることは足元の砂が無くなるような頼りなさを覚える。
 450円の手打ち蕎麦を食べてみたかった。