一軒おいた家は、10月になると東京の家に行き、梅雨前からこの家で過ごす。そして夏は土を楽しむように毎日庭に出ている。しかし、この家の主は春の見事な辛夷の満開を見たことがないし、今の時季の黄葉も目にしていない。特に今は周囲に植えてある木々の黄葉も深まり美しい。両隣が満喫している。
   紅葉光開かぬ窓にあふれけり    未曉
 松倉川晩秋
   風の形(なり)水の姿の落葉かな  未曉