私的蕎麦の道(3)・仙台「麺房」

 東に番町通(国道4号線)を4ブロックほど歩いて「麺房」に入った。この店は山形に本家をもっているという。
 更科蕎麦と言うことで白い。ふつう更科蕎麦は繊細な感じがするが、以外にしっかりしている。つるつると滑るように入っていく。喉越しのいい蕎麦である。山形の蕎麦と云うより、福島などで食べてきたうどんに近い食感である。香りも味も蕎麦らしさがあるという点では美味しいが歯触りや舌触りに物足りなさを感じてしまう。辛汁もやはり甘めだった。
 かき揚げにひかれて「かき揚げ蕎麦」を追加した。麺がもっとしっかりしてきて、温かい蕎麦に合っている。別皿に大きなかき揚げを箸で割り、甘汁で食べるのがとても美味かった。
 所変わって味が変わる。味というのがその土地の人がが育て上げた文化だとすれば、私の口に合うとか合わないとかはたいしたことでは無い。それが、蕎麦の道だと思いながらも、確実に蕎麦は私の口に合って来ている感じがする。岩手青森そして函館に繋がる予感が持てる仙台の蕎麦であった。