私的蕎麦の道(3)・福島「喜多その」

 福島市では、駅東口のイトーヨーカ堂の駐車場に車を入れ、地図を便りに目当ての蕎麦屋を目指した。情報にあるように駅近くで、老舗で、と言う感じでその蕎麦屋が見つかった。十割手打ちそば「喜多屋」と大きな暖簾が見えた。店内は席が仕切られていて落ち着いた感じで食べることが出来そうである。きちんとしていて老舗らしく隙がない。板場姿の男の人が接客してくれた。
 こだわり一番粉のもり蕎麦をお願いした。一枚1000円、追加の二枚目は630円だそうだ。わたしのたかさえれ道に反する値段設定だ。
 麺は太く山形田舎蕎麦風だが、素朴さに欠ける。香りもうすい。つるつるしていわゆるコシがある。私にすれば蕎麦粉で作ったうどんという食感になる。これが一番粉の十割?と言いたくなる。辛汁は佐藤の甘みが勝ってしまって口に残る。そば湯が濃厚だったので、蕎麦やに入ったことを実感できた。
 実は、後でよくよく地図を見たら、狙った店と違う蕎麦屋に入っていた。わたしが行こうとしていた店はもう少し遠く「喜多屋」という。私が入った店は箸袋には「喜多その」と書かれてあった。狙った店かまちがって入った店かはともかく、十割手打ちそばという看板で入ったのだから後悔はない。この後行く前に下調べをして行った仙台の蕎麦屋も、福島「喜多その」と同じような蕎麦だった。どの店がどうだではなく、福島県宮城県の蕎麦が私のたかされ蕎麦と大きく違うみたいなのだ。