22世帯で作っている「ききょうの里自治会」の総会があった。町会として函館市から補助金を貰っているのでちゃんと総会を開かなければならない。発足当初は自治会長さんの家を会場にしていたが、10年くらい前から湯の川温泉の一室を借り、懇親を兼ねて開催するようになった。
 形式に沿って進む。最初は少し改まった口調で話し始めても次の人からすぐにお喋り口調の意見交換となり落ち着くべき所で落ち着く。
 総会が恙なく終わると酒もでて懇親…。普段は挨拶程度だが、こうして集まると話が尽きない。特に自治会を構成している人たちは、住宅地として造成された初期、インフラが全く整備されていないときに居住された人たちなので結束が強い。当時の話が飛び出し、最近入居してきた人たちの耳を奪う。
 空気を入れ換えようと窓を開けた。湯の浜ホテルの裏は海峡に面した砂浜。カモメの群れがレースのような波の広がりの中にいる。窓を開けたとたんその鳴き声が聞こえる。
    群カモメお喋りの数足の跡   未曉
 酔っぱらうほどの酒は出ない。ほろ酔いで帰りの車の時間になる。22戸の町会、出席者は9人、委任状10通。他の町会のように出来ないことがたくさんあるけれど私は小さいことに不満はないし、むしろ小さいことは良いことだとさえ思っている。お喋りは帰りの車の中でも続いた。