日光を見終わって、コンビニで水とウーロン茶と夕飯、朝飯を調達し、今市のあたりから鬼怒川をひたすら北上した。温泉に入りたいからである。道の駅「湯西川」は五十里湖というダム湖を見下ろす所にあった。全くの山の中でもう少し走ると湯西川という温泉がある。日光と会津の峠付近つまり、栃木と福島の県境になるのだろう。
 曇っているせいか少しくらい感じはしたが4時半ころ着くことが出来た。トイレを確認。建物の中に入って、食堂、産直品売り場、温泉の営業時間を確かめる。そして寝るまでのスケジュールを頭の中で組み立てる。車を停める場所はトイレの近くで、大型車の駐車スペースから離れていることが大事だ。しかし、そういう場所は車椅子の方の駐車スペースになっている。それをはずして条件にあったところに今夜のねぐらを置く。次は、車の窓を内側から塞ぐ。sakaGさんの方式を真似て銀ホイールと八歩スチロールのシートで出発前に急造してきた。はめ込んだり、吸盤で窓に接着させたり、五分で完了。これが思った以上に車を快適空間にしてくれる。寝袋を出し、日用品の入っているボックスと衣類が入っているボックスから必要なものを出して重ねるとテーブルになる。準備万端整えてもまだ時間がある。店は7時までだし、温泉は8時まで受付を通ればいいと言う。外をぶらつく、と言っても山奥のダム湖が有るだけであとは何にもない。すごく寒くなってきたので車に入り寝袋にくるまって本を読む。頭の所の覆いを一つ取ればまだまだ読める明るさだ。読むのに飽きて今日を振り返ったり句作りをしてみたり6時を待てずに行動開始。いつもの風呂道具に着替えを詰めて温泉へ。旅先なので鍵のかかる棚を使った。
 良い温泉だ。500円。車に寝る旅ではその道筋に温泉を併設した道の駅を見つけられるかどうかにかかっている。知らない土地での運転の緊張がほぐれるし、体が温まる。着替えも出来てさっぱりする。長い夜温泉にはいることで時間を費やすことも出来るのである。
 7時少し前に車に戻り、寝る支度をして寝袋に腰まで入れて晩飯にする。トイレに立ち寄ったドライブインの産直コーナーで衝動買いした温泉卵(タレ付き)とトマト(小2個)コンビニで買った納豆巻き(一パック)とつまみようのハムセット。そして黒ウーロン茶割の焼酎である。焼酎は娘の所での晩酌用に買って残ったものを「持っていって」と言われて荷物の墨に挟み込んできたものだ。暖かみに不足はあるもののなかなか豊かな夕飯である。ボックス卓上は箪34本の置きライトが照らしている。誰にも見られる心配がないのでゆっくり飲める。
 そのまま寝られればいいのだがそうはいかない。ゴミを分別して復路にまとめ、ぬれたコップはトイレットペーパーで水気をふき取ってボックスに戻す。ボックスの卓上に時計とライトとメモ帳を置いて深く寝袋に入り込む。すぐ寝てしまった。多分8時にはなっていないだろう。