月初めは応募したり句会に参加するために句を揃えなければならない。それには兼題がある。兼題は季節を先取りすることが多く、思い出しの句になる。
   兼題「七夕」
 函館の七夕は子どもがリュックを背負いスーパーのレジ袋まで持ってお菓子を貰い歩く。中には浴衣姿にリュックを背負っている姿もあり、七夕の風情にほど遠い。沢山貰えれば店屋を狙い、年寄り夫婦だけの家になど来ない。教員時代、お菓子を貰うだけでなく、笹竹飾りを作ろう。カンテラを作ろう。大きな子は小さな子を連れて行ってあげよう。出来たら浴衣も着せて貰おう。近所のおじいちゃんおばあちゃんの家にも行こうなどと事前指導をしていた。バレンタインデーよりはずっと大事な行事だと思っていたから…。そういえば椴法華時代Ka先生はその習慣が無かった椴法華の子どもたちに、笹竹飾りを作り、カンテラを提げてお菓子を貰い歩く函館式七夕を根付かせようとしていたことを思い出す。今、椴法華の家々でもお菓子を用意しているらしい。
  菓子を乞ふ唄我が家にも星祭   未曉
   兼題「蜩」
  あまり実感はないが、春蝉や夏の山などの絶え間ない蝉と違う少し高いカナカナカナというせみの声は覚えがある。
   蜩や四阿という字の読めず   未曉