昨日の烏帽子で…。スキー場跡からのトラバース斜面はダケカンバの林間である。白い雪面と青い空の間に、あるものは楽しげにあるものは苦しそうに腕をくねらせているダケカンバの幹や枝は、千手観音の祈る様に見えてくる。
  雪原に千手の祈りダケカンバ    未曉
 ここまでスキーを担いだりシールを履いて登って来てスキーを楽しむ人がいる。それに比して滑ることのできる斜面は小さく、滑り降りたらまた自力で登らなければならない。だからその一滑りをできるだけ長く、できるだけ深く楽しもうと集中する。春の楽しみ方は夫々様々である。
  春スキー小さき斜面に大弧画き   未曉