猫柳の芽吹きがあった。ついひとつの芽の銀毛の美しさに芽を奪われ、カメラを向けていると、周りにたくさんの芽があることに突然気づく。そのすべての芽に「私も見てよ」と逆に見られていたようにうろたえてしまう。
     木の芽一つ愛で百の芽に応へられ   未曉
  山裾では残雪がいろいろな形を描き始めた。つい何かの顔に見えるかな?などと考えてしまう。その上を元祖「何かに見える」雲の影が通り過ぎる。
     雪形を残して雲の影通る       未曉