NHK俳句の兼題は北海道から応募の場合その季節感は3ヶ月は早い。来月5日締め切りの兼題は「片栗の花」と「残雪」である。思い出しで作るしかない。
 30年位前、椴法華への国道のすぐ脇へ入るだけで片栗は一面に咲いていた。山野草に興味の無かった私にその美しさ、美味しさ、知識がいっぺんに注入された。それだけ一面に咲いていた。
  一面の中小鉢分片栗摘む    未曉
 早春、山を歩いていると雪渓とまでいえないが、沢地形を埋めるように雪が残っていることがある。その上は、夏で言えば空中であり、立てない場所である。そこからはまったく新しい景色が見えたりする。そんなことを期待しながら残雪の上に歩を進める。「雪ノ下はきっと沢水が流れているだろう」などと想像すると少し緊張するし、日差しに明るい雪の上はステージの様でもある。
  残雪や沢に五尺の浮舞台    未曉