札幌への句帳から
 製紙工場の煙突だろうか、白い煙を中空に吐き出している。真っ直ぐ登っているが、ある高さまで来るとどの煙も一様に直角に折り曲げられる。寒さの所為かどうか、風の層があるのだろう。
   冬空に真っ直ぐ立てぬ煙あり  未曉
 冬木立の向こうに雪のゴルフ場が広がっている所で徐行した。葉を落とした木立の向こうのゴルフリンクの向こうに雪雲が横たわっている。木立がフィルムのコマのようになるためか、鈍重そうな雪雲が動いているのがわかった。
   冬木立地平の雲を動かしぬ   未曉