アンナプルナ・ダウラギリ展望トレッキング(8)

takasare2007-04-10

  4/5 ヒレの夜
 ロッジのテラスでミルクティーを飲みながら、ロッジのトタン屋根を打つ雨音を聞く。たいしたふりではない。明日一日もだいじょうぶだろう。取り留めない話をしながら、宵を過ごす。もう味わえない春宵のひとときになるだろう。
 夕食にはトレッキングの安着を祝ってコックさんがケーキを焼いてくれた。ケーキのよしあしは分からないがまともな火や道具が無い中でこれだけの味は立派なものなのだろう。。
 7時頃からロッジのせまいダイニングで安着パーティが催された。私たちがもう使わないものなどをプレゼントしてあげた。シェルパの人達は、いいものを着ているが、ポーターさんたちはやはり貧しい身なりをしている。私は汗で汚れていたが、小さくてあまり着ないシャツと、ポケットが多すぎる釣り用ベストなどを供出した。リーダーからチップを受け取ったみんなと握手してネパールの踊りが始まった。 
 シェルパやぽーたーの若者はこのために踊れるのか、それとも育つ中で見につけた踊りなのかみんなが民謡のリズムに体が乗っている。すごく美味い子もいる。私も追踊ってしまう乾杯で飲んだロキシーがまわって一気に汗が吹き出る。お終いには北海盆歌まで謡ってしまった。エヴェレストの時もランタンの時も最後に謡い踊られた「レッサムフィリリ」でみんなが踊り、トレッキングは終わった。
 私たちは寝たが、ポーターやキッチンボーイたちは夜遅くまで話し声がきっ越えていた。貰ったチップでギャンブルしていたらしい。夜中トイレに起きた時はみんな寝静まっていた。空には朧月が浮かんでいた。あしたは転機も持つだろう。(写真はSakagさん撮影)
白き歯のシェルパ踊るや春の宵    未曉