アンナプルナ・ダウラギリ展望トレッキング

takasare2007-04-08

  4/5 プーンヒル
 4時前にはみんな起き出して小さな声で用意を始めていた。何回か起きたトイレの時ははっきりしなかった空に稜線がはっきり描かれている。これで、今回のトレッキングで見るべきものは全部見られそうだ。4時15分モーニングティーで体を覚まし、ヘッドランプで足元を照らしながらロッジを出た。歩き出してすぐ、フリースのセーターの上にシェルでは暑く感じた。みんなも着込んできたらしく衣服調整タイムを取った。ゴラパニ村からプーンヒルへの道にはゲートがあり、リーダーの話では昼間は閉まっているそうである。後ろから外国人の一行がドカドカト追いついてきた。彼等は目の前を歩いているものは必ず追い越さずにはいられない人種ではないかと思う。私はそういう人と張り合う気持はないからすぐ譲る。そしてさっさと行って欲しいと思う。どうやら日本人全体が私に近い。道を譲り、追い越そうなどとしない。もしかしたらコンプレックスでもあるのだろうか。周りは暗く何も見えないからそんなことを考えながら登ってしまう。
 1時間くらいで頂上に着いた。リーダーが右奥がいいポジションだよと言うので、それとなくわがグループでそこを占領してしまう。頂上に茶店が一軒あり、お茶が飲める。入場料のようなつもりで飲んであげませんかと言うことなのでそれを飲みながら真正面の明けゆく山稜を眺めていた。山際が赤くなり次第に山が見え、雪が見え、ヒマラヤ襞が見えてくる。やがて、マチャプチャレの東に太陽が昇り始める。日の出だ。そこからマチャプチャレ、ガンガプルナ、ヒウンチュリ、アンナプルナ・サウス、アンナプルナ1峰、ニルギリ、ダンパスピーク、ダウラギリ1峰、2峰、3峰…グルジャピークと180度にわたって7000M級の高嶺が続いている。ヒマラヤの中でも最も人気のあるスポットだと言うのがうなづける。いつの間にか私たちの前の草むらに多くの人達が入り込んでしまっている。人の入らない写真を写すのは難しくなってしまった。私たちはさらに下に行った。そして最後には、仲間みんなを呼んで記念写真まで撮ってしまった。またリーダーは腕に7つもカメラをぶら下げる羽目になりながら。
 スペクタクルが終わり、日が高くなると、相替わらず靄がかったようになりクリアさがなくなってきた。改めてプーンヒル山頂の様子を見た。300人はいる。言葉だけで判断すると、韓国、中国、ドイツ、イタリア、アメリカ、私には判別できない言葉もあったようだからもっと他の国の人もいたに違いない。子どももいれば老人も若い人もいる。お金をかけ、人手をかけ、時間おかけ、汗をかかなければ来れないこの地球上の点にしか過ぎないところにこれだけ多様な人が集まっていることに不思議さを感じた。日本人の若者がいない。
 下山は、ダウラギリを赤い石楠花を前景に撮れるポイントを探しながら、そして来るときに見れなかった景色を見ながらになった。そしてこのトレッキングの往路は終わり、復路になっていた。今日明日は下り一方の石段が待っている。
 パッキングのし直しをして朝食。おかゆに塩昆布、パンケーキ、卵焼きが一登りしてきた体に美味しい。
 8時半、下りの復路がスタートした。石段の下りは危険が多い。靴紐をきつく締め、ストックの長さを調節して気を引き締めて歩きだした。