アンナプルナ・ダウラギリ展望トレッキング(6)

takasare2007-04-07

 4/4 タダパニ〜ダウラリ〜ゴラパニ(後)
 午後はダウラリの峠にかかる。天気は良いが全体靄がかかっている感じがして展望は利かない。実質的な峠をのっこしてチョウタラのある樹木の無い広い草原状の尾根に出た。サクラソウが一面に咲いている。みんな散らばって写真を撮り始めた。去年の四姑娘の様子を思い出した。何枚目かの全員の写真を撮った。撮影者のリーダーは両腕に7つくらいカメラをぶら下げてシャッターを切らなくてはならない。すまないと思うけれどがんばれ。その尾根道の真っ直ぐ向こうに明朝登る今トレッキングのハイライト「プーンヒル」の頂が見える。今日も早くつく予定だ。とすればゴラパニはもう近い。
 ゴラパニが近いはずだと思い始めた頃雨粒が落ちてきた。見ると谷に暗いガスが満ちている。それほどの降りではない。リーダーも言わない内から雨具は着ないことに決めた。どうせ汗でびしょ濡れだしこの暑さだから風を引くことも無いだろうと考えた。結局、誰も口にもしない内に、14時Kamaraロッジに着いた。ロッジの周りの数軒のお土産露店が商品にシートを被せていた。
 洗面器のお湯で汗を拭き着替えると雨でぬれるのが嫌になる。お茶を飲んでいるうちに雨が上がった。散歩しようと通りに出たら、露店もシートを取って「見るだけ」と声をかけてくる。ひょいと見ると鈴がある。つまんで鳴らすといい音がする。前回のランタンの時から今回の今日まで、店を覗くたびに探していた鈴である。心では買うことに決めていたが、あまり欲しそうな顔をすると値段交渉に関わる。そっけないふりをしようとしたが、周りが「あったあった」「いい音だよ」「ついにあったね」と声をかけてくれるので気が気ではない。「ハウマッチ?」
「ヨンヒャクルピー」「オーノー ワンハンドレッドフィフティー」彼は手を激しく振って「サンビャクルピー」私は「ノーサンキュウ」と言いながらちょっと立ち去る素振り。待っていたように「ニヒャクルピー」と言う。ここで何個かあれば2個で300RPとか3個で500RPとか粘るのだけれど、一つしかない。むだかな?と思いつつもう一度「ワンハンドレッドフィフティー」と言ってみるが首を振る。買うことを見透かされているので私の負け、200RPで買うことにした。でも念願の鈴が変えて嬉しかった。するとYaさんが向かいの露天で少し違う鈴を見つけた。3個あったが600RPだった。そこでまた雨。あわててロッジに戻った。Kuさんは小さな本屋で花の本を見つけたがかわずに心残りのようだった。ロッジで所在無くしていると雨が小降りになったのでもう一度鈴を探しに出かけた。道の奥にあると思った店も無く鈴も無かった。ロッジへの道を歩いているとKuさんが出てきて「やっぱり本を買ってくる」とすれちがった。さっきYaさんが買った店の親父さんが手に10センチもあるカウベルを持って私に買わないかと笑顔を向けていた。「ノーサンキュウ」と笑顔で返事して鈴はあきらめた。ロッジに帰って買い物の経緯をメモするときに私の会話がすごくおかしいことに気がついた。私の会話力は乏しい。
 夜の食事は、スープにポップコーンが出され、カレーライスにスパゲッティ何かちぐはぐだがカレーもスパゲティも好きなのでお代わりした。もう一回お代わりしたかったがあきれられるような気がして遠慮してしまった。
 明朝は4時起き。また戻ってくるので身軽でもいいのだが、雨具とか水とかカメラを考えるとザックが一番楽なようだ。用意を整え、眠りに就いた。
    ヒマラヤの滴り濡らす高度計   未曉