秋刀魚丼(2)

takasare2006-09-14

 (叱られるので)魚用のまな板の上で秋刀魚の頭と尻尾を落とし、腹に包丁を入れて、内臓を取り出す。内臓にはりがあって生きのよさがわかる。まな板も魚もきれいに洗う。台所をいちどきれいにしてまな板の上につややかな色の秋刀魚を横たえ、包丁を骨の上に当て、こりこりと優しい音を頼りに包丁を尻尾に向かって動かしていく。片側が終わって裏返す。と書けば書けるが、骨には、野良猫に褒められるくらい実が付いているし、皮は引きつり身はよじれている。そんなところから小骨のある腹の部分をそぎ落とし4枚の身を笊に並べた。小さくなっていた。2匹にしてよかった。1匹なら食った気がしないかもしれない。「包丁が切れないから」と言いたいが、それを言うと「お父さんが研がないから」と返ってきそうなので言わないが、包丁が切れる包丁なら…。その上から塩をこすり合わせた両手の間から振り冷蔵庫に入れた。この場合塩を振ることにどんな意味があるかわからないがなんとなく料理しているような気にはなる。
 インスタント味噌汁のためのお湯を沸かし、残りご飯のチンの準備をしながら魚に塩がなじむ時間を稼いだ。たれを作らなければならない。醤油と味醂と…などと探していたら、鰻のたれが見つかった。それを利用することにした。その分時間が余ったので、絵の具やらケント紙やら散らかっているテーブルの上を片付け、ブログへの写真撮影に備えた。
 20分が長いか短いかはわからないが、20分たったので半分に切った8切れの秋刀魚を小麦粉を入れたビニール袋の中で揺らした。フライパンに少量の水を沸かし、その中に鰻のたれを入れた。小さな泡が立ってきたところに小麦粉をまぶした秋刀魚を入れ、返しながらたれを絡ませた。煮詰まったかな?というあたりで火を止め、秋刀魚をご飯の上に並べた。フライパンに残ったたれをかけて出来上がりである。
 少し、しょっぱかったが美味かった。塩を振ったのが余計だったのか、たれを煮詰めすぎたのか。でも、野菜を上手いかたちで添えられたら、奥さんには食べさせてもいいのではないかと思っている。今シーズン秋刀魚が旬の内にもう一度挑戦し、できればディナーメニューにしようかと…。