大雪山塊の一でこ「富良野岳」(1)

takasare2006-08-26

 大雪山という山があると思っていたのが大きな間違いで、その間違ったイメージでトムラウシ十勝岳もこの富良野岳も理解したつもりになっていたために更に大きな間違ったイメージで「北海道の屋根」と言われる高地は私の頭の中に在った。
 大雪山塊という大きな高地のでこぼこが北海道の中央にあって、その「でこ」の頂に旭岳とかトムラウシとか十勝岳という山名が付いている。富良野岳もその「でこ」の一つである。だから旭岳と尾根でつながっていると言えば言えなくもない山なのである。一度に三峰以上登ろうとすれば、テントを持たなければならないし、日帰りしようと思えば一峰ずつそれぞれの登山口から登らなければならない。その上縦走には知識、技術、体力が要求される。ということが数年前白雲小屋に泊まり、トムラウシの南沼に寝、今回ロープウエイの力を借りて旭岳に登って三方からお互いの距離感を感じて初めて正しく大雪山塊をイメージできたのである。
 富良野岳は大雪山塊の南西の端に位置する。南に伸びる日高山脈の根元にあって富良野盆地に突き出ていると言える。登山口は白金温泉の上方伏古温泉にある。舗装の広い駐車場にトイレがあり立派な登山口である。6時に旭岳青少年キャンプ場を出て、七時半に登山口を通過できた。5人くらい横に並んで歩けるような道をだらだら登り、源頭地形の安政火口に着く。正面の壁は火山特有の赤茶けた緑のない斜面。水のない火山岩の沢を渡り、右側の斜面に取り付く。沢を挟んで今歩いてきた広い道を戻るようにトラバース道が稜線まで登っている。大きな岩と這い松の根を踏み越えていく道である。駐車場から見えていた稜線の所は晴れていたが、そこに来て始めて見える富良野岳は霧がかかっている。昨日の旭岳に引き続き霧の中を歩くことになりそうだ。