花と紅葉・裾合平

takasare2006-08-23

 チングルマは花が終わり身をつけていた。銀鼠の綿毛を草原を覆うように風になびかせていた。エゾオヤマノリンドウ、エゾノリュウキンカ、コガネギク、ハイオトギリソウ、ワタスゲなどが広大な湿原を彩っていた。とくに、エゾノオヤマノリンドウは今が見頃とばかりに見事な青紫色で咲いていた。姿見駅の近くでは白花のエゾノオヤマノリンドウまで見つかった。
 中岳分岐を背に左の熊ヶ岳と旭岳、右の比布岳の文字通り山裾が出会ったところに広がっている裾合平は、大きな湿原で中央を縦断するように一本の木道が中岳温泉と姿見駅をつないでいる。6月〜7月の高山植物の見頃と、9月の公用の時期は、この木道が人でつながってしまい、すれ違うのも大変なくらいになるという。きっと美しい光景だろうが、とても疲れそうだ。私たちは何組かの人たちと追い越したり追い越されたり出会ったりしたけれど、静にゆっくりと今が時期の花を楽しめた。
 人の名前をそのままつけたような岳名が大雪には多いが、平名はロマンチックな名前が多い。「裾合平」「雲の平」「高根ヶ原」「北海平」「お鉢平」「沼の平」「奥の平」「コマクサ平」…。
 姿見が近くなると裾の襞のアップダウンを繰り返して進む。春、雪渓が低い所を埋めているとき平らになったコースを辿りながら、日当たりのよい所の華を楽しむのも楽しいと言う。それは楽しそうだ。
 大雪は3回歩いた。けれど、まだ歩いていない所のほうが多い。縦走しないから仕方ないが、そのうち楽しみたい。黒岳、お鉢めぐり、忠別岳…。
 ロープウエイから旭岳を見た。まだ、霧の中だった。