蝦夷松山 中腹林道歩き(2)

 車が通れるというより結構使われているような立派な林道を登りることにした。今日はじめてのような急勾配の道をなぜか一生懸命歩いている自分に気付く。今まで下り中心の楽な行程だったので、苦しい思いをしなければ罰が当たるとでもいう意識が働いているのかもしれない。損な性分だななどと思っていたが、みんなも無口になって歩いている。山歩きに来て楽をしようは誰も思っていないようだ。道の端にタランボの木がたくさん生えている。この道でこれだけの数、この林道の入り口さえはっきりすれば、1〜2回分はすぐ採れそうだ。頭にインプットした。
 林道にはタイヤ痕を押し付けられた雪がうっすらと残っている。そして間もなく峠になった。振り返ると函館の町並みと巴湾が銀色に光っている。(前日の写真)峠から下るとすぐ林道は断ち切られるように切れ踏み分け道が笹薮の中をトラバース気味に沢へ向かって降りて行っているようだ。左手沢はうねうねと笹流れダムに向かっている。右手上方は小峰が岩を見せている。その上に雁皮山があるのだろう。対岸にも踏み分け道が見える。きっとこの道が続いているのだと思われる。その尾根の向こうがで中野ダムが見えるたりこの前歩いた雁皮沢付近の林道につながったりするのだと思う。そっちまで行ってしまうと車まであまりに遠くなってしまうので今日はここで撤退することにした。
 林道を戻り、ゴルフ場からの分岐を過ぎて下って行くと立派な鋼鉄材を使った橋が沢の合流点に架かっていた。一つの流れは上流で渡渉した沢水でもう一つは今見て来たばかりの沢水だと思われる。笹流ダムに注ぐ流れだ。橋を渡って間もなく軽トラックが停まっている。里が近いなと思ったら、なんのことはない。最初の一つの予想通り蝦夷松山登山口にあたるロータリーだった。(写真)
 そのまま正規の登山路を辿りながら蝦夷松山へ向かうように登り、途中ゴルフ場に続くと思われる刈り分け道に曲がった。数分でゴルフ場の作業道に出た。右手にのどかなゴルフ場の芝の斜面が広がっている。我々の車を停めた場所は作業道を200m程登った所だ。
 下りから始まった林道歩きは当たり前だが登りで終わった。高低差はあまりなかったが3時間の歩きは充足感があった。風の当たらない所を選んで昼飯を食べた。車の停まる音がする。林業関係の人たちが私達の歩いた林道を入って行く。何をしに行くのかは知らないが、少なくても我々のようなどこにつながるのだろうか等と言う疑問でただ歩き回る人たちでないことだけはたしかだ。
 陣川温泉で汗を流した。明日は札幌だ