蝦夷松山〜雁皮山(3)

takasare2005-11-03

小樽の二人は帰りのこともあるのだろう、我々の昼食中に下山を開始した。このごろ昼休みが長い。無職の気楽さもあるだろうが、最大の理由は天候がいいことだろう。天気がいいと山頂は高い分天国に近いのかもしれない。天気が悪い時はきっと地獄に近いはずだ。
 重い腰をあげて12時には降りはじめた。最後尾から写真を撮りながら行くことにした。写真を撮るとその分遅れるが、焦って急ぐことだけはしないよう心掛け、足元に注意しながら歩いた。慎重にさえ歩けば、当たり前だが下りは楽だ。少しぐらいのギャップでも重い体を持ち上げるのと、下ろすのでは雲泥の差である。そうおもったとたん、右足が前に滑った。両手は左右の木の幹を握っていたので滑り落ちはしなかったが、両腕が挙がったバンザイ姿勢になって尻餅をついた。その瞬間右肩に激痛が走った。ある高さ以上挙げると痛くなる○十肩が、むりやりある高さ以上に挙がってしまったのである。息が止まる程痛い。傷みはそのままに、しびれてきた。前の二人は大きな岩陰に回り込んでしまっている。声は届くだろうが、足は何ともないし?十肩なんだからと様子を観ることにした。幸い足元は比較的安定したトラバース路で左手で右肩をさすりながら歩けた。その内、傷みがだんだんおさまって来た。おさまると言うより、傷みが無くなり、岩を回り込む時には、岩や木を掴んで体を支えることもできるようになっていた。そしてついには右肩はぐるぐる回しても何の痛みも感じなくなり、?肩は治ってしまった。なんのことはない、整骨院で荒療治をして稼動範囲を広げてしまったのと同じことだ。右腕を使って体を支えるたびに右肩を意識し、怪我の巧名を実感しながら歩いた。その後は、写真を撮る時は完全にストップし、歩く時は集中し全身を使いながらアップダウン路をこなした。石楠花岳は通過し、12時40分蝦夷松山についていた。
 小休止直後に焼く3mの垂直に近いロープ場(写真)がある。ロープを両手で持って重い体を保持し、足がかりを見つけてゆっくり降りて行く。もし腕が痛いままだったらこの重いからだをどうやって下ろせただろうと思った。その後の急勾配も足元を確保してからの体重移動を心掛けておりた。笹の刈りわけになり傾斜が楽になってから少し急いで二人に追いついた。
 林道に入ってからは、雑木林の紅葉を楽しみながら落ち葉を蹴散らして歩きを楽しんだ。13時45分車のデポ場に着いた。14時陣川温泉のお湯につかり肩をもんだ。こんなはずれなのにこの時間客が多いのはパークゴルフ場が隣接されているせいだ。山谷さんはこのまま展覧会準備があるという。陣川にあると言う蕎麦やを探してみた。蕎麦屋を見つけたが、暖簾も降りていない。わざわざ改めてくるまでもないなという直感のする蕎麦屋に思えた。