「伊達 翁」伊達

 徳舜瞥山の帰路、個人的にはもう一つの目的であった「翁」に行った。他の人も快くつきあってくれた。
定休日も、営業時間も確かめてこなかったので不安だったが、途中車の中から電話すると営業中とのこと。
 店は、伊達市の室蘭側のはずれにあった。長野県池田町「翁」の例もあったので、周囲のロケーションにも興味があったが新しい住宅地域らしく空き地もあるような場所だった。国道に近く分かりやすいという点では遠くからくる人にはいいだろうと思った。
 中は、白木で統一されていた。靴を脱ぎ、板張りの床に大きく窓をとった明るい店内は池田町の翁と同じだった。窓から見える景色はちがうが…。5人だったので、奥の一段高くなった座敷きの掘りごたつテーブルに陣取った。
 応対は明るくてきぱきしていて気持ち良い。もりそば(738円)を頼んだ。薬味はねぎ、わさび、おろし、たれは、蕎麦湯まで持つかどうかの量。
 ざるにもられた蕎麦がきた。細い。山でインスタントものばかりだったので、かえってそばの素朴さを舌が感じてくれるのではないかと思ったが期待はずれだった。その印象のまま食べ終えてしまった。たれも、案の定、猪口の底にうっすらとしか残らなかった。麺が細いから思う以上にたれがからんでしまうようだ。蕎麦湯は濃いめだったのでもう少し楽しみたかった。
 なぜ、細いのだろう。麺の細さがこの店の味を決めているように思った。
 レジの所では、高橋邦弘さんのビデオが流され舌代にもそのことが書かれていた。高橋邦弘というネームバリューが客の舌の説得に必要な店なのか…。