督舜別岳・ホロホロ岳

takasare2005-07-20

 このテントで初めて何の心配も無く眠れた。第一回目の目覚めが0時半、その後は、うつらうつらしながら3時半。それ以上は眠りをあきらめた。目を開けてテント越しの明るさと耳をすまして小鳥の泣き声で天気をはかった。好天のようだ。
 5時前全員がテントを出て来た。雲は高く、雨の心配もないが日ざしも無い。夜露をまとったテントは乾かないまま収納することになりそう。草もぬれているのでみんな立っている。朝食の準備をしている中、坂口さんが合流する。明日、(伊達)紋別岳に登る予定があり、ついでに私達と一緒したいと言うことだ。2時半に起きて車を走らせて来た。タフだ。
 やぶ蚊に襲われながらインスタント朝食を終え、テントを撤収して車を登山口まで走らせた。登山者のためだけの舗装道路2.7kmで登山口(5合目)に着いた。駐車場も立派な鋪装になっていた。
 先行者の車が一台あった。6時の登山開始である。
 昨年の台風の性だろうか、荒れた様相の涸れ沢の石の上を200mほど歩いて道が始まった。道も川沿いの部分は削られて土留めの丸太が宙に浮いていた。昨日のオロフレとはうって変わって、露出した樹の根と石の連続で、足許への緊張を強いられる山道が続いた。私には初めてのハリブキを写真におさめ、先行のご夫婦(山口からとか)を追い抜いて6合目の水場で一休み。蚊がまだうるさい。
 後方の三人は目にとまる植物が多いらしく、いろいろ写真に撮ったり話にまで花を咲かせているが、私には色がついているとか、花が花の形をしていなければ見つけられない。それでも、7合目を過ぎて日当たりが良い場所に出ると、ヨツバシオガマ、ハイオトギリソウ、ゴゼンタチバナ、チシマフウロなどが目を楽しませてくれる。9合目でヨツバシオガマの株を前景に羊蹄山を撮った。今日も工藤さんは不調のようだ。何回かのジグを切り、数を増した道端のフウロに導かれるように山頂に出た。
 山頂はたくさんの花が咲いていた。イワギキョウ、コガネギク、オトギリソウ、カンゾウ、ヨツバヒヨドリ、チシマフウロ、ベンケイソウ…。単独行の男性が登ってこられたので5人揃って記念撮影のシャッターを押してもらった。その男性の後をおうようにホロホロ岳への吊り尾根を下りた。150m下がって200m登る間に、エゾシオガマ、ダイコンソウが可憐に咲いていたし、山谷さんの声では、咲き終わったキバナシャクナゲもあったようだ。最終の尾根の登りはきつく、巨岩が横たわり、手を使い腰を落として這いあがった。
 山頂からは支笏湖や恵庭岳が一望できた。しかし、その向こうの日高山脈は雲の中だった。下山では登ってくる多くの、それも若い登山者と挨拶を交わした。山=中高年のイメージがあるが、若い人が若い顔に汗を光らせているのはいい。同じことをしている自分に自信が持てる。だが実際は足元が不安。樹の根と石に集中しながら慎重に下りた。
 幡渓の小さな旅館の日帰り温泉で汗を流して帰路に着いた。伊達「翁」に電話したら4時まで営業とのことかねてからマークの蕎麦をみんなにつきあってもらった。そこで坂口さんと別れ、長万部でかにめしをみやげに雨の函館に帰着。17時40分。全部終わってからの雨、十分に花も景色も楽しめた登山だった。(写真は、花の督舜別山頂から、ホロホロ岳を望む)