冬三日月

   冬三日月

 三日前、町内会総会のための役員会でふだん飲まないお茶を飲んだせいか寝付けなかった。その寝不足がリズムを狂わせたのか今朝は3時に目を覚ましてしまった。二度寝と言うにはまだ早いし寝られるかなと目を閉じたがだめだった。季語をひとつ思い浮かべたが句も出来ない。暗闇でも眼を開けていると眼は冴えてしまうようだ。

 闇…時間…闇。どこからか家鳴りがひとつ聞こえてくる。しばれているからだろうか。また闇…何も考えることのない頭は次の家鳴りを待っている。また闇…馬鹿らしくなってトイレに行く。布団に入る前に窓から外を見る。雪が無い。よし雪かきなし。空の一番高いところに三日月が張り付いている。

  天心に冬三日月や家鳴りして  未曉

 この句が出来ただけで、馬鹿らしいまま夜が明けた。