ききょうの里自治会

ききょうの里自治
 私は人生の中で一番になったこともなければ、一番のグループの一員だったこともない。それが、実は、私の所属するグループが、「函館一番 」だということにこのごろあらためて気づいた。賞状も出なければトロフィーもない。その上大きな声で自慢できる「函館一番」というわけでもないが私の居住する「ききょうの里自治会」が函館で一番小さい町会なのである。何か良いことがあるわけでもないだろうから調べていないが、道南ではどうだろうか、北海道ではどうなんだろうと思ったりする。
 私がこの地に家を建てた30年前、ここは桔梗西部町会の6区5班だった。移り住んで最初に呼ばれた「懇談会」の話題が○桔梗町西部町会からの離脱と○自治会を作ろうという過激なものでびっくりさせられた。理由は桔梗西部町会が町内会館を作ろうと計画し、「用地買収と会館建設費用のために一戸5万円を拠出」に反対しての決起だった。
 この一画は、労金の住宅生協が分譲した土地で、地価は安かったかもしれないが、地目は原野、函館市の市街化調整区域、電気はこの一画の入り口まで、水は井戸を掘って…という今で言うインフラがゼロの分譲だったらしい。だからここに家を建てた人たちは自分たちでお金を出し合って電柱を立てて電気を通し、組合を作って水道を引き、自らスコップをふるって道路を維持したと言う実績があり、道路補修や環境整備の願いに対して満足に応えて貰えていないのに毎日の生活に直接関係ない町内会館に5万円ものお金は出せないと考えたのは当然だった。そのうえ自分たちのことは自分たちの力でやってきた…と言う結束力があった。(つづく)