灼ける

 まったくひどい暑さだ。昼飯を食べて汗。時間がなくてちょっとばたばた着替えたらそれだけで汗。素肌に着るのをやめて薄いタンクトップを肌着がわりにもう一度着替えたらやっと落ち着いた。急ぐとそれだけで汗が噴き出るのでゆっくり駅まで、ゆっくり集合場所まで歩いた。五分遅刻した。
 今日は吟行で西部地区を歩く。世話役の十帆さんから水分補給の指示が出る。旧桟橋から運上所跡、新島襄渡航記念碑、旧西警察署、西浜岸壁から函館発祥の場所や施設を巡った。実はこれで三年連続三回目の吟行で「この暑さの中を…」という気持ちがなかったわけでもなかったが、結果的には今まで吟行句では満足な句ができない私には三回目という余裕はよかったようだ。見えるものに「灼ける」という季語をかぶせながら歩いた。それでも句会には満足なものは間に合わず、家に帰る車中でやっと句になった。
   上下に旧町名や坂灼くる     未曉
   南風吹く和洋折衷てふ窓に    未曉
   売地灼く蝶にからかはるる仔猫  未曉