毛虫

 この時期になると我が家の奥さんは毎晩毛虫駆除に余念がない。時には小一時間も猫の額の菜園を懐中電灯で歩き回っている。以前は擁壁の下に投げ捨てていたが、どうもそれらが擁壁を登って帰ってきているらしいことに気づきこの頃は「可愛そうだけど」と言いながら焼いている。一畝に丹精した苺を一晩の内に食べられてしまうかららしい。そう言いながらも「今晩このままにしておくと毛虫に食べられてしまうから」と言って、毎夕方完熟手前の苺を一つか二つづつ食べている。そうしないとせっかくの苺は口に入らないくらい毛虫が多い。
    毛虫焼く守るべき実のあればこそ   未曉