雛祭り

 お雛様を飾った。亡き両親が我が家の孫娘に買ってくれたケースに入った内裏雛である。ケースごと出して入っていた箱に毛氈代わりの布を着せた上に置くだけである。電源につなぐと雪洞に明かりが灯り回り灯籠が紅梅の模様を通して光を動かす。それでたちまち雛の間ができる。飾り終わって初めて思い出す。「そうだ雛あられだ」とか「いつも桃の花を一枝飾っていたよな」とか…。そして雛祭りにまつわる担任した子どもたちや、幼いころの娘たちの思い出につながる。
    雛飾るこれやればあれ思ひ出し   未曉