千歳市「二八そば」(2)

 そのまますする。いわゆるもちもちで腰のある歯ごたえがある。つるつるとした喉越しでしっかりと打ち込まれた蕎麦だと感じた。つけじるは蕎麦の端をぬらすだけでじゅうぶんの辛目、わさびでの美味しさは味わえなかったが、つけじるで啜り込む食べ方が一番美味しかった。そば湯は開店と同時の客だからまだ薄いのはしょうがない。しかしつけじるの出汁がきいていて美味い。つけじるが余ってしまったのがもったいなかった。
 かけそばの方がもっとこの店の蕎麦の良さが生きていた。もちもち感やつるつる感がそう感じさせるのかもしれない。かけ汁も出汁がきいていたし、私好みの辛めで美味しかった。
 私の好みから言えばもう少し蕎麦っぽい感じの方が好きだが、もちもちつるつる感を蕎麦に求めるお客さんにはお勧めの蕎麦である。
 帰りしな挨拶をしようと思ったら、もう午後の準備だろうか打ち台に向かう後ろ姿が小上がりの硝子越しに見えた。