雪景色

 正月の間おとなしかった降雪が雪景色を作っていた。起きだした家々の灯がやわらかな雪が作った局面をなぞるように黄色くしている。遠山は黒黒とまだ明けやらぬ空を支え、そこに残月がある。
 蕪村が描いた絵を思い出した。あれほど大きな景ではないが我が町内会と思えばこえれもまた趣きのある小さな雪景色である。
   残月やこの雪景色誰の業   未曉