三日

 みんなで谷地頭温泉に行くことになり車を走らせた。道すがらのラーメン屋の駐車場はどこも満車状態で、中には行列の出来ている店もあった。正月の食べ物に飽きたのかもしれないし、年末年始の断ラーメンの食事に禁断症状が現れたのかもしれない。私の胃袋もラーメンこそ欲してはいないが理解出来そうだ。
 夜外に出たら思いの外しばれていた。雪掻きダンプを滑らせた跡が凍って光を反射している。光は天頂の半月から注がれている。自分の影がくっきりと凍った雪面に写っている。あまりのくっきりさに正月気分が吹き飛ぶ。勤め人は明日から仕事始めだ。胃袋だけではない。私もだらだら正月にけじめをつけなければ…。
   凍月に吾影黒き三日かな   未曉