霜柱

 兼題としていただいてから一ト月、遂に出会うことなく過ぎてしまった。何時だったろうか。一昨年の庄司山へのアプローチで出会ったはずだ。頂上部のご神体の大岩を伝う滴りが氷柱になっていた。
 溝のような杣道の脇に牙を剥くように霜柱があった。足元にもまた霜柱があって大きな音をたてる。
   地の虫のもぞと深きへ霜柱   未曉