八甲田吟(3)

 大嶽からの長い下り、ハイマツ帯から針葉樹林帯を過ぎ硫黄臭のある白茶けた裸沢に来た。そろそろ紅葉帯が始まる。
    谷紅葉硫黄臭より始まれり     未曉
 やがてその紅葉の中に道は入っていく。対岸も紅葉、私達も紅葉。白い軍手紅葉の影が映っている。
    踏む紅葉躱す紅葉やけものみち   未曉