林檎園に行くと一種の重苦しさを感じる。比喩でも何でもない。林檎の枝ゝがそれぞれにたわわに実をつけて幹から地面にその枝先を下げているからである。重さに耐えているこの姿勢は大変な苦行である。赤ければ赤いほど重いような気もする。
 収穫風景は林檎の美味しさよりも、枝の開放感に共感してしまう。
   枝空に林檎出荷を見送りぬ   未曉