アップル温泉へ行く途中、農家の庭から黄菊が目に飛び込んできた。夜半まで雨だったせいか空気が澄んでいる。自家の供花にでもするのだろう二株くらいの小菊である。他にも白や薄紫の菊もあったが、この辺りの黒土によく映えて際だっていたのは黄菊だった。
 薔薇や牡丹はまわりまで薔薇や牡丹にしてしまうが、菊はまるで周りを拒否するようにすっきりしている。
    焦点の合っているごと黄菊咲く    未曉