恒例・大千軒岳(2)

 いつものようにシラネアオイの群生に迎えられて千軒平に着く。今日のこの天気からすればもっと登山者がいても良さそうなものだが、誰もいない。もう下山を始めたのだろう。先日の坂口さんのブログに在ったようにアズマギクが目立つ。鋭い花びらの先から紫色が放出されているのか小さな花が一回り大きく見える。ハクサンイチゲが尾根の背中から腹部へ流れるように敷かれている。その隙間をミヤマキンバイミヤマキンポウゲが襲う。私はミヤマオダマキを見ようとリュックを置いて山頂方向へ道を辿る。Kuさん、Yamaさんもそれぞれ花撮影に歩くが、他の人たちは十字架の傍に腰を下ろしてしまった。ここではそれが一番良い楽しみ方かもしれない。わたしも一つもオダマキを見つけられないままだったがそこに戻ることにした。
    お花畑そのまま行けばそのままに   未曉
    お花畑リュック脱ぎたる処から    未曉
 2時下山開始。登るときから滑りがちだった道にいつものかかと加重の歩きの足が取られる。ストックにゴムキャップをつけたのでそれも滑ってしまう。臆病というのは困ったものだ。大けがをして他の人に迷惑を掛けずにすむという言い訳にはなるが。トラヴァース路の岩が出ている所で足の無季を変えた辺りから太股の内側が吊り始めた。いつもの薬を塗布して楽になったが、この症状は癖になってしまったようだ。ひたすら降りて一時間半で登山口に着いた。 ここから海岸までの一時間の林道ドライブが過ぎれば温泉に浸かることが出来る。一台の対向車にも合わず降りた。日の出に起きた千軒岳山行の一日、日の入りを少し過ぎて家に着いた。絶好の天候に恵まれ充足の一日でもあった。