俳句サークルの兼題当番になり「夜店」とした。決めるときは、雰囲気で「良し」と思ったがこれがむずかしい。いわゆる近郊の農家が収穫物を並べ、曜日や日を決めて道端に連なる夜店は今はない。せいぜい神社などの祭典時に社前に並ぶ屋台店を夜店と言えるくらいだろう。いざ作ろうと思うと子ども時代の夜店風景しか浮かんでこない。この次の例会で会員から叱られそうだ。
 私の子ども時代は七の日に行啓通に立った。近くに住んでいたので、銭湯帰りなどによく寄った。たまにコップ一杯の塩豆を買ってもらう程度だったが、なんとなく心が弾んで楽しかったことを覚えている。
   夜をまとふ夜店の端の植木売り   未曉