勝軍山ついでの花見(1)

 閑人が混み合うゴールデンウイークに混み合う花の名所に行くのは阿呆である。しかしそればかり考えていると、ゴールデンウイークと花時が重なる松前勝軍山行きはいつも「宴の後」しか見られない。ということで、今年はあえて阿呆を強行した。他の人はともかく、私は一昨日も来ているからやはり愚行かもしれないが…。
 私達のグループのモットーは「静かな山」だから朝7時に函館を出発し空いている駐車場に車を入れ、まだ準備中の花見所を抜けて勝軍山に入ってしまった。いつものように花を撮りながら上りを上りとも感じない歩きで山道を辿った。残念ながら公園のスピーカーから流れる演歌だけはずーうっと聞こえていたが、我々しか歩いていないというてんでは静かこの上ない山歩きである。
 山麓の花は満開と言うには少し早く淋しい。見頃の染井吉野などは下の方なので山からは見えない。桜の撮影は止めていつもの山道に咲く花撮りに切り替える。
 スミレ各種、センボンヤリ、ヒトリシズカハナイカリカタクリ、エゾイチゲ、エンレイソウニリンソウ、そして今日の目当てミドリニリンソウ、疲れも感じないほどののんびり歩きで2時間半だった。登山口すぐ下の展望所のベンチで昼にした。目の前の桜園は花がまだだしし、展望は杉木立に遮られているので下のにぎわいやお城の方は見えない。下から上がってきた花見客は所在なさそうに一休みして帰っていった。
    立不動足下に緑二輪草    未曉

花びらの中央部が緑色のニリンソウ

花全体が緑色のニリンソウ