巨大地震東北を襲う 
 自然の非情さを7時間テレビ画面に見続けた。
 汗水流して築き上げた生活があまりに簡単に壊されていく.9/11の時もそうだったが、テレビ画面は見るものをヴァーチャルの世界を見せているように映し出す。今晩普段通りに眠るはずだった家が流される。生活を豊かに支えていた家財が未鍵鷹のように離散していく。春の営みを控えた畑が汚泥、瓦礫の海水に侵される。海にあれほど親しい船が猫が鼠をいたぶるようにもて遊んで捨てる。街が消えていく。
 しかし、映らないところへ想像力を働かせるとたくさんの命が奪われていることに気づく。そして全てを失い、停電の暗い避難所で今晩を過ごす生き残った人にも明日は来るのである。
 夕べの布団にそのままくるまることの出来るものは想像力を駆使して被災者のことをおもわなければならない。
   春寒し避難所暗き余震の夜   未曉
   余震の夜生きとし生ける者寒し 未曉