明日の句会に備え投句の推敲をした。
  異国語の墓碑銘読めず秋夕焼け   
 確かにあの時は西に茜の空はあったが、頭上は小雨が降っていた。墓碑銘が読めるか読めないかの秋ではなく、墓碑銘を残して異国の地に眠る人の思いに添う方が秋に近い。
      故国向く露語墓碑銘に秋の雨   未曉
  見下ろせば大沼小沼まだ残暑
 位置関係を表したくての「見下ろせば」は登山をする者の優越意識があるようで人間関係を匂わせてしまう。駒ヶ岳が分かって初めて「大沼小沼」は固有名詞になるが、分かる人にしか分からない句になってしまう。
      八合目麓の湖のまだ残暑     未曉