さしもの長い夏が終わった。夜半の豪雨、昼の風、その風の乾いてゆく感じがまちがいなく季節の変わり目だった。目に見えたような気がするほどの夏の終わり、秋の始まりだった。
   去る夏を軽く成り行く風に見し   未曉
 学校に行き渋る子どもがいた。夏休みが明けた時季にありがちな光景である。けれど、本人にとってもお母さんにとってもつらいときだ。
   登校児の秋草むしり棄てながら   未曉