退職した年の夏に作ったからウッドデッキはもう7年になろうとしている。その時使った材木はこの家を建てたときに余った2×4材だから25〜6年前の材木と言うことになる。その7年間、毎年春には防腐、防水の外装剤を塗布してきたし、冬期間は二重にシートで覆い保護してきた。しかし、板2枚が腐ってきて踏み抜きそうになってきた。修復することにした。
 今は2×4材は簡単に手にはいるし安い。三日前に買ってきたが、鉋はかかっているし、面取りはされているが白木の儘である。4回重ね塗りをしたが、7年間塗り重ね、日に曝されてきたデッキの色には遠い。もともと12フィートの材をそのまま使ったので切ったりする削ったりの加工の必要はない。作るときも土台に時間や労力の大半を費やしたが、板張りは簡単だった。3mmドリルで道穴を開け、そこにナゲシ釘をねじ込めばできあがりである。どちらも電動ドライバーで出来ることなので鼻歌まじりで出来てしまう。
 今回の張り替え工事で最も心配だったのが腐った板の撤去である。そして、恐れていたことが現実になった。7年前のナゲシ釘が抜けてこないのである。電動ドライバーの逆回転は力が無くて全然ダメ。手回しのドライバーで渾身の力を込めても廻らない。16本の釘の内2本だけが同情したかのように抜けてくれただけである。無理をしたら釘が途中からねじ切れるしまつである。高血圧の私の頭がねじきれては大変なので、破壊的だがバリを使って強制排除をすることにした。仕事としてはスマートではないが仕方がない。そして14本抜き終わったときには腰に痛みが来ていた。
 無理矢理抜いた跡後の穴に、竹箸を削って埋め、そこに新しい2×4材を張った。これはまたしごく簡単に出来た。
 張り替える前は、「土台はまだまだ大丈夫だし、全部取り替えた方が見た目もきれいかな?」などと思っていたが終わったときは、思うだけにしておくことにした。色違いも模様だと思えばそう見える。春宵酒が美味しければよいのだ。