「たかが蕎麦されど蕎麦」と、自分が美味しいと思える蕎麦に出会いたくてその一回目は青森から秋田、山形、福島、新潟、長野、岐阜、富山、石川を旅した。その時はそれほど意識していなかったがどういうわけか美味しい蕎麦で有名なところは芭蕉の「奥の細道」と重なっていた。帰ってきてから、もう少し奥の細道の足跡も見ながら廻れば善かったかなぁと後悔した。二回目は北海道内を廻ったが、かねてから考えていた岩手宮城、福島の蕎麦を巡る私的蕎麦の旅その3に挑戦することにした。視力、体力、精神力に余裕がある内に行かなければ楽しめないからだ。
 たまたま娘の引っ越しの手伝いがてら東京に行くことになったので、その帰りをその旅に当てた。そしてこの旅は、奥の細道と見事に重なる…と計画は立ったのだが。
このブログの中で引用させて貰う松尾芭蕉の文は《おくのほそ道》板坂元・白石悌三校注・現代語訳=講談社文庫に由ります。また、コースについては《芭蕉「おくのほそ道」の旅》金森敦子著=角川出版を参考にさせていただきました。