takasare2010-03-12

 子ども達が居なくなった子ども部屋の天井に頑丈な鉄の輪が二つある。建築中、大工さんに飲み物を差し入れに来て、雑談が天井部分に張られた部材の多さと確かさに及んだとき「乗ったってぶら下がったってびくともしねえ」という話から思いつきでブランコのある子ども部屋も楽しそうと言う話をした。大工さんも乗り気になり、わざわざ材料を買ってきて取り付けてくれた。引っ越してすぐ余っていた牽引ロープを利用してブランコが出来た。当然最初は取り合いから始まった。上の子が一年生だったし、姉妹だけでなく親戚の子や友達などにも大評判だった。
 始めから二部屋にする設計だったし、子どもたちもブランコより自分だけの空間の方が良いと言うことになって上の子が中学生になったときに間仕切り線上にあったブランコは取り外された。今は娘達が居なくなって再び間仕切りも取り外されて一部屋になったが、ブランコのない鉄の輪だけが残っている。
 東京に職場を持つ二人が経済的な理由からアパートで同居していたが、下の娘が仕事の都合ではなれることになった。もう子どもではないと思いつつもブランコが揺れていたころを思い出した。
 ブランコは春の季語になっている。雪解けの土に触れずに遊べるので、子どもが最初に外遊びで触れる感じがあるかららしい。
   ふらここや姉妹の間に今も揺れ   未曉