朝の雨が上がり陽差しも暖かくなったので急に思い立って小さな展覧会を見るついでに西部の町を歩いた。展覧会は函館デザイン協議会による日常の活動発表会のようなものだった。デザインという言葉で括られた建築設計、インテリア、グラフィック、工芸などの作品が展示されていた。デザイナーに取っては地方都市での活動は刺激を受けるという面でも収入を得ると言う面でも大変だろうと思う。IT化などを考えると、施設や設備も恵まれた環境は感嘆には得られないだろうと思う。私が勉強したころは筆一本で出来そうに思えた時代だった。そんな夢を持った裔の頭に刺激を受けたくてなるべく見るようにしている。
 ベイエリアのあたりは疎らな観光客、私のような散歩組達が、春浅い日溜まりの道を懐かしむように歩いている。若いおじいちゃんが孫の手を引いて散歩している。
    幼子の歩幅で歩く日永かな    未曉