物置の屋根の雪が落ちた音がした。たいした雪ではないが退けておかないと排雪路になっているので凍ってしまうとその時に困る。五分もかからずに終わってしまうけれど結局一枚着て出て行く。ゴミを出すときもそうしてしまう。ひとときより暖かい方向に向かっているように思うのは気持ちだけで実は…と思ってしまう。春に向かうときも体と一緒に心も序々に慣らしながらと言うことなのだろうか。順応性の老化は心も一緒にと言うことらしい。少しずつ逆らいながらにしよう。
   ゴミ出しも一枚羽織り春浅し    未曉
 向の双子の一年生が帰ってきた。走ってきたのか毛糸の帽子の下の顔が上気している。
   子等の耳帽子に隠れ春浅し     未曉