蕎麦小屋(七飯桜町)

 先日スキーの帰りを開店時刻に合わせて新しくできた蕎麦小屋(七飯桜町店)へ行った。元々の仁山の店も郊外型の、蕎麦好きがわざわざ車で食べに来てもらうタイプだと思っていたが、その車でわざわざ行く私にすれば、この七飯桜町の出店は少し分からない。遠くから行けば、桜町も仁山もそう変わらない。支店?分店?兄弟店?それも分からない。まァ美味しい蕎麦さえ食べられればどうでもいい。店側にはそれなりの思惑があってのことだろうから。
 仁山店がログハウスなのに比べて桜町店にその重厚感は全くない。内装も仁山店は窓も少なく暗い山小屋そのままだが、こちらは同じように木はふんだんに使っているが薄い白木風塗装の内装材で明るい。原木材対新建材である。
 仁山店で食べる挽きぐるみのもり蕎麦を頼んだ。一口啜る。美味しいが香りも弱いし舌触りなど挽きぐるみにしては物足りない。仁山で食べる時はもう少しキリっとしていたような気がする。せいろの簀の子に水が残り蕎麦の切れ端が濡れそぼっていた。かけそばは非常に美味しかった。仁山店で掛け蕎麦を食べたことがあるだろうかと思うほど、美味しい掛け蕎麦だった。蕎麦の香りが鼻を撃ち、歯触りが悪くならないうちに一気に食べた。そば湯は言うこと無し。湯桶の底のとろりとしたそば湯で掛け蕎麦のつゆを割っていただいた。美味である。
 このように出店されるとどうしても比較してしまう。絶対味覚なるものがあるとすれば私には備わっていないから。ましてや店の作りや客あしらいまで味のうちに容れて蕎麦を楽しもうとする欲張りには比較の末の「好み」を言うしかない。
 酒や酒のあてもメニューにあった。それならば七飯の駅前あたりに作ってくれればJRで蕎麦前を楽しみに行ける店になったのになどと勝手に思った。