プリンターに句会報を印刷させ時間つぶしにテレビを見ていると突然我が家の庭に子どもが3人東側の裏から乱入してきた。居間の大きなサッシを雪を漕いで走る子どもの影が横切る。南側は3Mのよう壁を登らなければならないからこういう形でここに入ってくるのは小鳥か野良猫しかいない。びっくりした。怒ってやろうと西側の窓を開けて待ったが来ない。
 私は掻いた雪の排雪をその3Mの擁壁の下に落としている。今冬は多く、とくに先週は雪が続いたので捨てた雪が擁壁の上にまで達して来ている。ちょうど擁壁を背に半円錐の雪の山になっている。子ども達は初めからそこの尻滑りをしたかったらしい。私も子ども達が小さかった頃そこに雪坂を造ってそり遊びをさせたことがある。子ども達は尻滑りの後、隣の家の下、その隣の家の庭外れに足跡を残し、犬の散歩道へ戻っていった。
 学校帰りの子ども達は通学路には指定されていない小さな踏切をわたり道のない高架橋の下に踏み分けられたの犬の散歩道を通り、我が町内を抜けて西桔梗へと帰る。その間車の心配はないが非日常性はある。そこから我が家の擁壁の雪の山をみて思い立ったのだろう。子どもらしい邪気のない発想とその行動がほほえましい。「男の子健在」である。
 我が家としては全く困ることはないが、侵入されたのだから怒鳴っておくのが「あそこのオヤジ」としての務めかもしれない。しかしそうするとその「男の子たち」が来なくなってしまうかもしれない。せっかくの「男の子らしさ」だから大切にしたいとも思う。迷うところだ。明日も来るだろうか。明日は二階の窓から見たいものだ。