季題「年酒」『年始の客にすすめる酒とあるが、例句には自分も含め年頭に飲む酒も含めて詠まれている』(角川春樹編・現代俳句歳時記)
 数年前まではなにやら横文字のカクテルのような酒を飲んでいたが、「この頃飲み会では日本酒が美味しい」などと言いながら私が飲もうとすると、娘達は各自小さなグラスを持ってくる。こっちも嬉しくなって注いでやる。
   娘二人つき合いくれし年酒かな   未曉
 季題「食積」『年始回りに訪れた客をもてなすために重箱に正月風の料理を詰めたものを言う』(角川春樹編・現代俳句歳時記)
 我が家は妻の実家で正月を迎える。年越しで「おめでとう」をすませているので朝はまちまちになる。寝正月の者、普段通り起きる者、いったん起きてまた寝る者様々である。朝の食事も起きたら自分で食べる。だから、食卓には正月料理が並んだ儘になっている。たいして飲めないのに雰囲気で飲む私は「正月は朝から酒」とその正月料理を肴にだらだらと飲める。このだらだらが私の正月になる。
   食積の卓あらばこそ朝の酒     未曉